絶対他力

凡人の凡人による凡人のためのWebサービス開発

影響力についてその3

このページは、影響力についてその2の続きです。

自治は、制度設計が重要

このページでは、その2に引き続いて「影響力」の特徴を記載していきます。

まず、ポコ帳のコンセプトのページ内に記載してある戦術を再掲します。

  • 利用者参加型のキュレーションと、その最適なカタチを探すために、「影響力」の仕組みを導入する

上記の通り、影響力は「利用者参加型のキュレーション」を実現するための仕組みです。

また、「利用者参加型のキュレーション」に関する私たちの考えは、その2でご説明しました。

そして、そのご説明の中で、不適切な投稿の対処方法として…
私たちは、「統治」ではなく「自治」を選択する事をお伝えしました。

つまり、不適切な投稿の対処を利用者に任せ、運営側は積極的に介入しません。

しかし、単に利用者に丸投げするだけでは、自治が上手くいくかは利用者次第の運まかせとなってしまいます。

そのため、自治を上手く機能させるための何らかの仕組みが必要です。

ただし、問題が発生してから、事後処理的に仕組みを変更すると…
利用者から見ると、統治(運営側の積極的な介入)をしているように見える恐れがあります。

そのため、自治による「利用者参加型のキュレーション」を実現させるには…
事前にしっかりとした制度設計をやっておく必要があると考えています。

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Twitterの影響力は「べき乗分布」

次に、自治を上手く機能させるための制度について…
従来サービスと比較しながら私たちの考えを記載します。

まずは、「利用者参加型のキュレーション」と似た仕組みを持つ従来サービスをご紹介します。

それは、Twitterです。

私たちの考える「利用者参加型のキュレーション」の仕組みは、Twitterのフォロー、フォロワーの仕組みと似ている部分があります。

なぜなら、Twitterの利用者は、「フォロワー数」という利用者毎に異なる値を持つパラメータを持っています。

そして、その数値によって、ツイートがどれだけの人に届けられるか決まります。

また、フォロワー数は、利用者間の相互作用によって値が決まります。

つまり、その1でご説明した「影響力」の仕組みと、ほとんど同じです。

そのため、Twitterは、「利用者参加側のキュレーション」を既に実現していると言ってもいいくらいです。

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ではなぜ、Twitterではダメなのか?

それは、Twitterの「フォロー、フォロワー」によるキュレーションは、議論には向かないと考えているからです。

それは、影響力が「べき乗分布」となってしまう事に起因すると考えます。

※べき乗分布は、80対20の法則やAmazonのロングテールで有名となった「0付近が極端に大きいが、長い裾も持ってる」分布のことです。

詳しく知りたい方は↓のWikipediaをご確認下さい。

べき乗分布は、格差の分布

Twitterのフォロワー数は、「べき乗分布」となります。

それは、下記のデータで確認できます。

 

「なぜフォロワー数はべき乗分布となるのか?」は、他の方に分析して頂く事として…
ここでは、影響力がべき乗分布となる事の問題点について考えます。

まず、いくつかのデータを整理します。

先ほどの調査結果によると、一般的な日本人利用者のフォロワー数の平均値は317人です。
※出展 :facenavi 日本人Twitterユーザー調査

一方、フォロワー数日本一の有吉弘行さんは、2015年9月26日現在、約483万人のフォロワーがいます。

つまり、平均的な日本人と有吉さんのフォロワー数には、1万倍を超える格差がある事になります。

  フォロワー数
日本人の平均値
※出展 :facenavi 日本人Twitterユーザー調査
317
有吉弘行さん
※2015年9月26日現在
4830000

べき乗分布は、「みんなで議論」に向かない

上記の格差の影響を考えるため…
その1に記載した「日本一のイケメンは?」という議題(疑問)の例に戻ります。

この議題(疑問)に対して、利用者が「キムタク」や「ジョニー・デップ」と投稿したとします。

次に、有吉さんが登場して、「俺」と投稿したとします。

すると、単なる多数決なら、有吉さんも1票しか持ってませんが…
「影響力」≒「フォロワー数」と考え、その値を反映させると483万票となります。

一方、平均的な日本人は317票しか持っていません。

そのため、「俺」という投稿に対して、平均的な日本人1万人が反対しても負けてしまいます。

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「有吉さんの影響力 > 平均的な日本人の影響力」である事は、多くの人が納得するでしょう。

なぜなら、有吉さんの魅力、能力を日本人が評価した結果、あのフォロワー数となっているからです。

しかし、その数字をそのまま反映すると、それは行き過ぎだ思うのです。

「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」で勝負が決まってしまうからです。

これが、影響力が「べき乗分布」となる場合の問題点です。

ポコ帳は、「正規分布」

上記の通り、Twitterのようなべき乗分布の影響力は、ポコ帳には相応しくないと考えます。

なぜなら、ポコ帳のコンセプトは「みんなで議論し、答えを出す」コミュニティサイトだからです。

次に、Twitterとは別の分布を持つ従来サービスについて考えます。

それは、2ちゃんねるです。

2ちゃんねるは、全員が等しい影響力を持つ分布です。

初めての投稿であろうが、不適切な投稿であろうが…
そのまま投稿順に利用者全員の画面に表示されるからです。

「誰が言ったか」よりも「何を言ったか」が重視される極めて平等なシステムです。

しかし、その2で記載した通り…
平等を選択すると、不適切な投稿が放置されるリスクも一緒に付いてきます。

gomiyashiki

そのため、2ちゃんねるの分布も「みんなで議論し、答えを出す」コミュニティサイトに相応しくありません。

したがって、先ほどのTwitterとも2ちゃんねるとも違う分布を選択する必要があります。

それでは、どんな影響力の分布がポコ帳に相応しいでしょうか?

その答えとして、私たちは「正規分布」を選択します。

※正規分布とは、「平均値が最も高く、平均値から遠くなるほど低くなる」ベル型の分布です。

詳しく知りたい方は、↓のWikipediaをご確認下さい。

 

世界初の挑戦!

なぜ、「正規分布」がポコ帳の分布として相応しいと考えるのか?

まずは、従来サービスの分布と正規分布を比較します。

分布の説明

すると、正規分布は、2ちゃんねるほど平等じゃないけど、Twitterほど酷い格差ではない分布だと事が分かります。

2ちゃんねるは全員が平等な影響力ですが、正規分布では色んな影響力を持った人が存在します。

Twitterは多くの人がごく小さな影響力しか持っていませんが、正規分布では多くの人がそこそこの影響力を持っています。

この様な特徴を持つ正規分布が、「みんなで議論し、答えを出す」コミュニティサイトに相応しいのではないか?と私たちは考えました。

ただし、私たちの知る限り、この様な制度で運営されたコミュニティサイトは存在しません。

そのため、本当に上手くいくかどうかはやってみないと分かりません。

ただし、「人々が影響力UPを目指す過程で投稿の質も上がる」、「そこそこの影響力を持つ事で当事者意識が芽生える」などの理由から、勝算はあると思っています。

この世界初の挑戦がどうなるか、私たち自身が楽しみにしています。

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また、「どうやって、正規分布を持つ影響力を実現するか」も重要です。

利用者間の相互作用を数値化すると、どうしても「べき乗分布」の傾向が出てくると思われるからです。

そのため、それを抑制するための計算式の細かい調整が必要だと考えています。

ただし、これ以上の話は非常に細かい話となりますし、まだ詳細を詰め切れてないので他のページで記載する事にします。

また、私たちが知らないだけで、似たような計算をしているサービスが存在するかも知れません。

その辺りの情報を持っている方がいましたら、是非とも参考にしたいので教えて下さい。

最後に

「影響力」の仕組みを皆様にお伝えしたく、私たちなりに頑張って記載したのですが…
かなりの長文となってしまいました。

最後に、本文の内容を出来るだけ簡単にまとめてみます。

  • 「影響力」は、不適切な投稿を利用者に見えづらくする仕組み
  • 利用者の自治によって、不適切な投稿を見えづらくする
  • 自治を上手く機能させるため、世界初の挑戦を行う

ご説明は以上です。

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