絶対他力

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バイアスについてその2

このページは、バイアスついてその1の続きです。

ポジショントークを抑制する

その1で記載した通り、「バイアス」の目的は、「ポジショントーク」、「信者とアンチ」等で建設的な議論が妨げられるのを抑制する事です。

まずは、「ポジショントーク」について記載します。

ここで言うポジショントークとは…
議論する前から結論が確定しており、その結論に有利な情報を無分別に支持したり、逆に、不利な情報は理由を捏造してでも否定したり、無視したりする行為を指しています。

ただし、人それぞれ立場が異なるのは当たり前で、自分の意見がそれに影響される事自体は問題無いと考えています。
(むしろ、中立的で無味乾燥な意見ばかりになる方が問題です)

しかし、議題(疑問)の答えを出す事が二の次になって、自分(&自分が支持するポジション)のためだけに行動しだすと問題です。

主題から外れた不適切な投稿、投票となる事が多くなり、建設的な議論が妨げられるからです。

そのため、「ポジショントークを抑制したい」という思いは、多くの人に賛同して頂けると思います。

そこで次に、その対策として何をするのかを記載します。

iPhone(iOS)派 v.s. Android派

ここで、例として、「おすすめスマホアプリは?」という議題(疑問)について利用者が議論する場合を考えます。

スマホの情報をネットで集めた経験がある方ならば…
iPhone(iOS)派とAndroid派による争いが始まるリスクについて、容易に想像できるでしょう。

「スマホアプリ」が問われているのに、iPhone(iOS)とAndroidの比較が話題の中心となってしまう恐れがあると考えます。

それらの情報は「スマホアプリ」とも関連していますので、完全に不適切とは言い切れないので判断が難しいですが…
主題から外れ、自らの立場を有利にしたり、相手を不利にする事が目的となってしまうと問題でしょう。

例えば、iPhone(iOS)派が「Androidには無いアプリを優先して投稿、投票する」場合です。

それらのアプリが、本当に「おすすめ」のアプリならば構いません。

しかし、本当は19番目とか32番目のアプリが、Androidと差別化したいがために上位に入れられると問題です。

まずは、「分ける」

この問題の解決策として考えられるのは、議題(疑問)の段階でiPhone(iOS)用とAndroid用を分ける事です。

議題(疑問)を変更し、「【iPhone(iOS)】おすすめアプリは?」と「【Android】おすすめアプリは?」に分けるという事です。

このケースでは、iPhone(iOS)派とAndroid派、それぞれに配慮した折衷案に意味はありません。
そのため、議題(疑問)の段階で対象を分けるのは非常に合理的です。

実際、この手の話題では、コミュニティサイトでも、記事やブログでも、iPhone(iOS)用とAndroid用を分けてある事が多いようです。

そこで、「ポコ帳」でも、ポジショントーク抑制のために「対立している人達を一緒にせず、分ける」事を目指します。

「分ける」の説明

バイアスは、分けた後の仕組み

「分ける」という対策は、当たり前過ぎる話だと思われるかも知れません。

しかし、この選択は重要だと考えています。
なぜなら、他のアプローチも考えられるからです。

例えば、対立軸を整理したり、正しい情報かどうか検証したり、利害関係の調整など、積極的な介入によってポジショントークの抑制を目指す方法も考えられます。

しかし、「ポコ帳」では利用者の「自治」を重視しており、運営の「統治」に繋がるような対応は可能な限り避けます。

上記の通り、私たちは、ポジショントーク対策として「分ける」という対策を選択します。

しかし、【Android】などの言葉を付けたり、別ページにしたりして「分ける」事は、どこでも誰でも行っている事で、特別な仕組みではありません。

「バイアス」の仕組みが出てくるのは、分けた後です。

次は、「分けた後」の問題についてご説明します。

そのため、ここからは…
上記の【iPhone(iOS)】と【Android】のように、議題(疑問)が適切に分けられているという前提で話を進めます。

「影響力」が上手く機能しない

上記の通り、ポジショントーク抑制のために「対立する人達の居場所を分ける」のは非常に合理的です。

しかし、世の中のコミュニティサイトを見ていると、それだけではポジショントークの問題は解消しないようです。

それは、【iPhone(iOS)】や【Android】という言葉付けるだけでは、それを守らない人が出てくるからです。

例えば、「【iPhone(iOS)】おすすめアプリは?」という議題(疑問)なのに…
「戻るボタンが無いからiPhoneは使い辛い」、「iPhoneはホーム画面がカスタマイズできなくてダサい」などと不適切な内容を投稿するAndroid派の利用者が出てくる事が考えられます。

まず、「ポコ帳」では、不適切な投稿への対策として前述の「影響力」の仕組みがあります。

不適切な投稿を繰り返していると「影響力」の数値が低下し、他の利用者に見えづらくなります。

この仕組みよって、瞬間的に不適切な投稿で溢れる事はあっても、中長期的には不適切な投稿は抑制されると考えています。

しかし、上記の例では、「影響力」の仕組みが上手く機能しない場合があると考えています。

なぜなら、上記のAndroid派の利用者は、「【Android】おすすめアプリは?」という議題(疑問)の方では、適切な投稿を行っている可能性があるからです。

そちらでの適切な投稿により、不適切な投稿のマイナスをカバー出来れば、「影響力」の数値は保たれます

つまり、「影響力」の仕組みだけでは、他の話題では優秀なのに特定の話題では我を忘れて不適切な行動をする利用者に対処できないのです。

「侵略行為」の説明

「バイアス」を利用して「影響力」を変える

ここで、ようやく「バイアス」の仕組みが出てきます。

上記の問題に対応するため、「バイアス」に応じて「影響力」の数値を変化させます。

まず、冒頭でご説明した通り、「iPhone(iOS)とAndroid」という「バイアスの指標」があった場合…
Android派に支持される内容の投稿が多かったり、Android派の投稿への投票が多ければ、指標がAndroid側に寄ります。

そのため、ポジショントークを行うようなAndroid派の利用者は、Android側に寄った「バイアス」を持っています。

そこで、その「バイアス」の偏りを利用して、利用者が本来持っている「影響力」に係数をかけて適切な値に変化させるのです。

当然ながら、その係数は、「バイアス」がAndroid側に寄っていれば寄っているほど、「影響力」が小さくなるようにします。
※Android派の利用者が【iPhone(iOS)】用の議題(疑問)に投稿する場合

「分ける」という目的だけを考えれば、Android派なら0、iPhone(iOS)派なら1というような単純な係数でも良いのでしょうが…
みんなで議論し、答えを出す」という「ポコ帳」のコンセプトから、出来るだけ多くの利用者に参加して貰う必要があります。

そのため、「分ける」と「みんなで議論」のトレードオフ関係を考慮し、シグモイド関数のような係数にしたいと考えています。

具体的な計算方法は、非常に細かい話となるので他のページで記載する事にします。

侵略行為を抑制する

上記の仕組みにより、iPhone(iOS)用の議題(疑問)の中では、極端なAndroid派の投稿はほとんど表示されなくなります

「影響力」がほぼ0のため、その他の投稿に埋もれてしまうからです。

表示されなければ実害がありませんし、その様な投稿をする人も減るでしょう。

これらの仕組みにより、せっかく分けたのに自分達の居場所から出て行って攻撃を行う「侵略行為」の抑制が期待できます。

そのため、単に【iPhone(IOS)】等の言葉を付けるだけよりも「より良く分けられる」ようになると考えます。

「侵略行為」の説明その2

これらが、「ポジショントーク対策」としての「バイアス」の仕組みです。

利用者の「バイアス」の傾向を利用し、「影響力」を変化させる事で…
対立している人達を一緒にせず、分ける」事ができるようになり、ポジショントークが抑制されると考えています。

もっと分けても良い

上記の例では、対立する2つのグループを「分ける」場合のみを考えていました。

しかし、議題(疑問)によっては、どちらにも偏ってないグループによる議論が必要なケースもあると思います。

その場合は、議題(疑問)をさらに分割し、【iPhone(iOS)】と【Android】に加えて、【中立】を作ります

当然ながら、「バイアス」がiPhone(iOS)側かAndroid側のどちらかに寄っていると、「影響力」が小さくなるような係数にします。

さらに、他の「バイアス」の指標と組み合わせて「分ける」事も考えられます。
例えば、【iPhone(iOS)&女性】、【iPhone(iOS)&リベラル】などです。

建設的な議論を行うのに必要なだけ、「分ける」を繰り返せば良いのです。

ただし、分ければ分けるほど、対象となる利用者の母数が減っていってしまいます。

みんなで議論し、答えを出す」という「ポコ帳」のコンセプトから、ほとんどの利用者の「影響力」が下がってしまうような分け方は望ましくありません。

そのため、議論に参加している利用者の「バイアス」を分析し、対象者がごく僅かとなるような「不適切な分け方」は自動的に排除します。

分けなくても良い

上記の通り、「ポジショントーク対策」として「分ける」事が有効だと私たちは考えていますが…
「分ける」かどうかの判断は、出来るだけ利用者に任せたいと考えています。

それは、「ポコ帳」では利用者の「自治」を重視しているという理由もありますが…
「分ける」かどうかの判断は、利用者に任せた方が上手くいくと考えているからです。

適切に「分ける」には、数多くの利用者間の相互作用を見極め、「流れ」を捉える必要があります。

「対立する人達が一緒に議論する」事が議題(疑問)の趣旨である場合など、「分ける」べきではないケースもあるからです。

複数のグループが対立している議題(疑問)ならば、何でもかんでも分ければ良いという単純な話ではありません。

それらの判断は、議論に参加している利用者でなければ難しいでしょう。

そのため、「分ける」かどうかの判断を利用者に任せたいと考えているのです。

ただし、その判断は、利用者にとっても簡単ではありません。

そこで、「分ける」べき時に適切に分けられるように、「バイアスの分布データ」と「適切な選択肢」を利用者に提供したいと考えています。

ただし、「バイアスの分布データ」と「適切な選択肢」の具体的な中身は、非常に細かい話となるので他のページで記載する事にします。

「ポジショントーク対策」のご説明は以上となります。

次は、「信者とアンチ」の問題に関する「バイアス」の仕組みについてご説明します。

まだ続きがありますが、ここでページを分ける事にします。

続きは↓です。

公開日:
最終更新日:2016/06/15


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